経営分析(指標の選定と根拠の記述)
事例Ⅳ(財務・会計)財務指標を与件根拠で選ぶ
要点
経営分析は、事例Ⅳの入口で出題されやすい論点です。財務諸表から比率を計算するだけでなく、与件文に示された事業特性、設備状況、取引条件、販売構造と照合し、企業の優れている点や課題を説明できる指標を選ぶことが求められます。
指標は、売上高営業利益率や売上高総利益率などの収益性、自己資本比率や流動比率などの安全性、有形固定資産回転率や棚卸資産回転率などの効率性に分けて候補化します。ただし、各分類から機械的に1つずつ選ぶのではなく、設問が問う対象と与件根拠に合う指標を優先します。例えば設備過多が読み取れるなら固定資産効率、借入依存が課題なら安全性指標が有力です。
記述では、指標名と数値だけでは不十分です。「何が原因で、どの財務面に、どのような影響が出ているか」を短く示します。多面的な答案にするには、同じ原因を重ねるより、収益性、効率性、安全性の異なる切り口を使い、与件文の事実と計算結果を対応させることが重要です。
試験で問われるポイント
- 指標選定は計算のしやすさではなく設問要求と与件根拠への適合で決める。
- 収益性、安全性、効率性のどの側面を説明しているかを明確にする。
- 答案では指標名、数値の優劣、原因、影響を因果でつなぐ。
- 同じ根拠で複数指標を説明せず、切り口の重複を避ける。
確認問題
経営分析で、与件文に「老朽化した大型設備を維持している一方、受注量が伸び悩んでいる」とある。財務上の課題を説明する指標として最も優先して検討すべきものはどれか。
正解: ア
大型設備を保有しながら受注量が伸びない状況は、固定資産が売上獲得に十分活用されていない可能性を示す。したがって有形固定資産回転率が最も適切である。当座比率は短期支払能力、売上債権回転期間は回収効率、配当性向は利益配分の指標であり、設問の事実との対応が弱い。
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