取替投資の経済性計算(差額CF)
事例Ⅳ(財務・会計)旧設備との差額だけで判断する
要点
取替投資は、既存設備を使い続ける場合と新設備へ取り替える場合を比較し、差額キャッシュフローで経済性を判断する論点です。新設備の収益や費用だけを見るのではなく、旧設備を継続した場合に発生する収益、費用、修繕費、減価償却費、売却機会を基準に増減分を把握します。
初期時点では、新設備の取得支出に加え、旧設備を売却できる場合の収入や売却損益に伴う税効果を考慮します。各期では、取替による売上増加、費用削減、減価償却費差額による節税効果を整理します。最終時点では、新旧設備の残存価額や運転資本の回収が差額として発生するかを確認します。埋没原価は意思決定で変わらないため含めません。
答案では、NPVが正か負かという計算結論に加え、与件企業の設備能力、品質、保守負担、資金制約を踏まえて助言します。取替により効率性や品質が改善しても、需要が不足すれば投資回収は難しくなります。差額だけを見る姿勢と、非財務面のリスクを組み合わせることが、二次筆記試験らしい解答につながります。
試験で問われるポイント
- 取替投資は新設備案と旧設備継続案の差額CFで判断する。
- 旧設備の売却収入や売却損益の税効果は初期時点で考慮する。
- 減価償却費そのものではなく税負担への影響をCFに反映する。
- 埋没原価を除外し、需要、品質、資金制約なども与件に基づいて述べる。
確認問題
取替投資の経済性計算で、意思決定上のキャッシュフローとして最も重視すべき考え方はどれか。
正解: ア
アが取替投資の基本である。意思決定により変わる差額CFを対象にし、旧設備継続案との差を比較する。イは比較対象を欠いている。ウは過去支出した埋没原価を含める誤りである。エは減価償却費の非資金性と節税効果を取り違えている。
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