組織構造の設計原理
事例Ⅰ(組織・人事)戦略に合う組織形態を選ぶ
要点
組織構造の設計では、企業が置かれた戦略段階と組織能力を合わせて考えます。機能別組織は営業、製造、開発などの専門性と効率を高めやすく、規模が小さい企業や単一事業に向きます。一方で、顧客別や商品別の調整が遅れ、部門間の壁が生じやすい点に注意します。
事業部制は、事業や地域ごとに責任を明確にし、市場対応を速める狙いがあります。多角化や複数市場への展開では有効ですが、人材や機能の重複、全社的な知識共有の弱まりが起こり得ます。カンパニー制は事業部制より自律性と業績責任を強める考え方で、経営人材の育成にもつながりますが、全社統制との均衡が必要です。
答案では、組織形態の名称だけで終わらせず、与件文の課題を根拠にします。設問が助言なら、どの部門をまとめ、誰に責任を持たせ、どのような情報共有や統制を加えるかまで書くと、施策と効果の因果が明確になります。
試験で問われるポイント
- 機能別組織は専門性と効率を高めるが、横断調整の弱さに注意する。
- 事業部制は市場対応と責任明確化に向くが、機能重複や部分最適が起こり得る。
- カンパニー制は自律性と業績責任を高め、経営人材育成にも結び付く。
- 組織形態は与件上の戦略課題、制約、副作用を合わせて選ぶ。
確認問題
複数の商品分野を展開する企業で、各分野の顧客ニーズが異なり、機能別部門間の調整に時間がかかっている。助言答案の考え方として最も適切なものはどれか。
正解: ア
正解はア。顧客ニーズの違いと調整遅れには、事業ごとの責任明確化が有効で、共通機能との連携も必要である。イは課題を放置し、ウは部分最適を招く。エは与件根拠と因果を欠いている。
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