事業承継と組織体制
事例Ⅰ(組織・人事)後継者を支える体制を設計する
要点
事業承継は、事例Ⅰで頻出する組織・人事上の大きなテーマです。問われるのは、後継者に誰がなるかだけではありません。創業者や現社長に集中している意思決定、取引先との関係、技術、経験、人心掌握を、どのように組織へ移し、次世代の経営体制を作るかが重要です。
与件文では、後継者が現場経験を積んでいる、外部経験を持つ、既存社員との関係が弱い、古参社員の影響力が強い、幹部候補が不足しているなどの情報が示されます。解答では、後継者への段階的な権限委譲、幹部会議の設置、役割分担の明確化、古参社員による支援、若手管理者の育成、顧客関係の引き継ぎを組み合わせます。
注意点は、後継者のリーダーシップだけに頼らないことです。事業承継は属人的な経営から組織的な経営へ移行する機会でもあります。過去の強みを継承しながら、新しい戦略に必要な専門性や意思決定スピードを高める体制を示すと、事例Ⅰらしい答案になります。
試験で問われるポイント
- 承継問題は、後継者個人ではなく経営体制の移行として捉える。
- 社長依存の意思決定は、権限委譲や幹部会議で組織的に補う。
- 古参社員は抵抗要因にも支援者にもなり得るため、役割付与が重要である。
- 技能や顧客関係の引き継ぎは、OJTや同行、情報共有で具体化する。
確認問題
創業社長に営業判断と重要顧客対応が集中しており、後継者は経験を積み始めた段階である。事業承継に向けた助言として最も適切なものはどれか。
正解: ア
正解はア。承継では権限、顧客関係、意思決定を段階的に移し、幹部を含む体制にすることが重要である。イとウは社長依存を温存する。エは組織的な経営体制への移行を軽視している。
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